概 要 |
1.開会
保健福祉部より挨拶
2.委員自己紹介
新任者の方のみ
3.議事
① 令和6年度地域包括ケアシステムの構築に向けた取り組みの報告
地域包括支援センター職員より順次説明し、項目ごとに意見交換を実施する。
1)地域ケア会議について 報告 資料P4~
2)在宅医療看護・介護連携部会 報告 資料P10~
3)認知症施策推進部会 報告 資料P14~
4)介護予防事業 報告 資料P20~
5)協議体について 報告 資料P23~
【質疑応答】- 自治会:
第2層協議体は中学校校区であるが、城東をまとめるには、人口的に範囲が大きすぎるのではないか。協議体と自治会の関わりについて教えて欲しい。各自治会がそれぞれの地域を守っていくことができれば。ボトムアップでやっていくのが望ましいと思っている。
- 包括:
先進的な事例としては、核となる地域住民を中心に活動を広げながら、助け合いが循環する仕掛けづくりに取り組んでいる。地域によって、関わり方は異なる。
【意見交換】- 病院:
独居、家族関係が悪い、また、親族が遠方等の理由により対応が難しい、おひとり様高齢者における入退院時での対応の流れと現場の困りごとについては、2021年に実施した「地域連携実務担当者会」(西予市から愛南まで)の中で意見出しを行った。厚労省のガイドラインを参考に、身寄りのない方を判断能力や成年後見人の有無等の5つに分類し、緊急連絡先等を支援シートをまとめている。当院では、看護師が問診した際に課題があれば、地域連携室の相談員が必要なサービスにつないでいる。時には、相談員が転院先の病院まで付き添う場合もある。未収金が残ったり、行政に頼っている、支援に時間がかかっているのが現状。
- 薬剤師:
おひとり様高齢者に関する困りごとに対して、薬局の現場で実践している対応は、藥の管理が難しい方に毎週お薬カレンダーを持ってきていただいてセットしている。要望があれば、かかりつけの薬局でお願いしてもらえれば。マイナンバーカードが便利で、飲み合わせ、どこの病院にかかっているのか確認ができ、ポリファーマシー予防に役立つ。積極的にマイナンバーカードを非常に便利なので勧めていただければ。郵便局のスマスピは良い仕組みだと思っている。
- 消防:
意思疎通のできない人の搬送は困るのでは? 消防でも苦慮している。おひとり様高齢者における救急搬送や入退院時、固定電話の近くの紙等から情報を得ることができ、家族とのやり取りにつながったケースもある。最近はスマホを使う方が多いが、ロックがかかっており、情報が分からないこともあった。かかりつけ、既往歴、服薬状況、家族の情報、延命についての意思等を記入した「救急情報シート」を見える所に置いていただければ。保険証などの小さいカードは見つけるのが難しい。積極的処置をしない意思表明や不必要に身体を痛めることに繋がらないよう、本人、家族のDNARを確認し、看取りに向けた支援の構築ができたら良い。
- 宇和島歯科医師会:
歯科医師会の会員にアンケートを採ってみたが、認知症の方が積極的に受診しているという話はなかった。認知症の方や一人受診が困難な方の現状としては、衛生状態が悪化しており、義歯を入れた状態で口腔機能を改善する必要があるにもかかわらず、何年も受診していなかったりと、治療に対する理解が乏しい。義歯を作るだけで、口腔機能が解消するだろうと思っている方も多い。おひとり様高齢者は、通院や医療費、治療後のメンテナンス等の課題がある。いかに健康寿命を長く過ごすか。認知症であってもなかっても、おひとり様高齢者に寄り添っている立場の方から相談いただければ。愛媛県歯科医師会では、会員に対して、認知症対応セミナーをやっている。まずは声かけをして欲しい。口腔内の沈着物、義歯の汚れ、口臭等、ちょっとしたことで受診のきっかけになる。認知症の治療を受けている方をバックアップしていければ。義歯を作る機会があれば、義歯に名前を入れてもらえると、何かあったときに役立つ可能性がある。
- 北宇和歯科医師会:
認知症の方で、関係者に付き添われて受診され、処置が終わると、来られなく方はいる。義歯を入院の間に使っておらず、合わなくなる方がおられる。入院中も義歯を使っていただければ。入院・入所している方に対しては、介助者がメンテナンス(清掃)しやすい状態を目指して、治療することも重要。
- 保険健康課:
宇和島市は、高血圧に起因される脳疾患や心疾患の発症率が高い地域でもあるので、高血圧に関しては、検診を受けた方のフォローを中心にやっている。市の特定健診は毎年5000人程度受けられる。国は検診受診率60%を目指しているが、宇和島市は昨年度33%程度だった。Ⅱ度・Ⅲ度高血圧者に対しても丁寧に関わるようにし、Ⅲ度高血圧のコントロール不良者に対しての家庭訪問を実施する。宇和島市は、2号の認定者が県・国の平均よりも高く、早世の方が多い状況にある。早世者の治療状況等を分析することも必要。支援者としても、一生懸命やってきたが、効果が見えていないところを反省し、支援者の技術の向上にも取り組んでいきたい。若年のうちから支援していくことが保険健康課の仕事だと思っている。
- 警察:
高齢者や認知症高齢者を保護した場合、家族が遠方だったり、家族関係が悪く拒否するなど、引取り手がない現状がある。その場合、苦慮しているが、生活安全課でおひとり様高齢者や認知症高齢者を保護した場合、警察所まで連れて帰り、家族を探して引き渡す。夜間であれば、高齢者を保護室に入れると様態が変わる可能性があるため、ロビーで警察官がついて朝まで見ており、業務に多大な支障が出ているのが現状。家族から「大丈夫だから家に帰してくれ。」と言われることもあり、本人が生活できそうであれば自宅に送るが、再度出ていく可能性がある方については、夜が明けるまで警察署で見ている。昨年は3日に1回ペースで保護しており、取り扱いは倍以上だと思っていただければ。同じ方が何回も保護されている場合がある。うち2件は、家族がいるが、引き受け拒否され、その他の家族を探したが、最終的には支援者に引き継いだ。夜間、認知症の方から「屋根の家に人がいる。」との通報を受け、警察官が現場に行って確認したりすることも毎日ある。家族から「病院に受診させたい。」との相談があっても、基本的には警察が連れて行くことはできない。認知症の方が暴れた場合の対応は可能だが、口論や危険性がない場合、病院に連れて行くことはできない。警察に振ってくることなく行政機関で家族を交えて話をしていただきたい。年々増加している。減ることはない。できる限りの対応はするが、警察としての対応が困難なところもあるため、横の連携が重要。ご協力いただければ。
- 民生委員:
おひとり様高齢者や認知症高齢者特有の相談ごとや課題としては、頑固な方が多く、一筋縄ではいかない。本人の了解を取った上で、関係機関につないでおり、相談に行ったり訪問に来てもらうまでに時間がかかっている。親子関係が崩れ別居状態になっていたり、1ヶ月入浴ができていなかったり、デイサービス利用を提案しても、「お金は誰が払うんぞ。」と言われたこともある。1期3年の間に、本人、家族との人間関係、信頼関係を築くのに時間がかかり、苦慮しているのが現状。また、移動販売について、「せっかくここまで来てくれたから買わんとな。」と出費がかさんでいる方もいる。買った食材を食べきれず、冷蔵庫に食材が残ったままの方もいる。仕事や家庭もある中で、独居高齢者を約40人持っており、1人に30分程度かかる。このようなことが、民生委員のなり手不足につながっているのではないか。一人で回るのは大変。最近は、訪問した高齢者に、衣服に名前を書くことで、命が助かるかもしれないことを助言している。
- 自治会:
地域における独居や認知症など、その方々と関わる上での困りごととしては、亡くなって数日間発見されない事例があった。玄関先に最低限の連絡先があれば。システム化してほしい。子どもが遠方な方は、ボタン1つで駆け付ける、民間のセコムやALSOK等を活用するのも手。
- ケアマネの会:
ケアマネジャーとして、日々おひとり様高齢者や認知症高齢者の対応に追われている。なかでも特に、現場で困っている対応(シャドーワーク:影の仕事)が数多くある。ケアマネは本来介護保険に関わる仕事であるが、それ以外の仕事が増えてきている。ケアマネの会のグループワークで、シャドーワークについての意見を集約した。ケアマネが急な入院・受診の付き添い、医療機関との連携、夜間の安否確認、金銭管理、権利擁護支援をせざるを得ない実情がある。負担に感じて仕事が続けて行けないケアマネもいる。今後行政や関係機関、地域等とともに考えていければ。相談できると良い。
- 社会福祉協議会:
社会福祉協議会は、おひとり様高齢者への支援・取り組みとして、宇和島地区権利擁護センター「ピット」や、暮らしの中の困りこと「地域支え合いセンター」や地域づくりなど、地域に根付いた幅広い活動の事業を実施している。「ピット」は、鬼北、松野、愛南を含め、相続や遺言、成年後見に関する相談を受けており、顧問弁護士や司法書士等に助言をもらうこともある。また、月に1回程度、専門職による相談会も開催している。 「地域支え合いセンター」は、訪問による相談や閉じこもりの方にサロンを紹介し、新たな仲間ができた事例 もある。また、生活困窮者に食糧支援も行っている。時には、包括との同行訪問を行うこともある。そのほか、住民の座談会や地域の行事に参加し、困りごとや課題を聞いたり、公民館や集会所等の地域の拠点を活用した住民主体の居場所づくりを行っている。住民のつぶやきを拾いながら、住民目線での社会資源の開発に取り組んでいきたい。
- 介護事業所:
おひとり様高齢者や認知症高齢者特有の現状や課題としては、孤独感と孤立、健康管理、安全、日常生活への支援、情報へのアクセス等がある。信頼できる人がいない、地域とのつながりが薄くなっている方が多く、受け入れてもらうまでに時間がかかるため、寄り添える支援、多職種連携が必要。相手のペースでサポートできる人材育成が必要。対象者に会ったことがない方が個別の事案について話し合うと、人を見ずに状況を見てしまう。制度の枠に当てはめる支援では対応が難しいが、実務者だけが責められることのないよう、三方よしが実現できるよう模索していく必要がある。現場が責められることのないようになると良い。
- 公民館:
公民館の利用者がほとんど高齢者であり、グループの平均年齢が高くなっているため、団体の活動が停止していく。退職の高齢化、働く高齢者の増加により、サークルやグループに入る人が減り、活動の継続が困難となっている。また、デジタル化が進み、公民館に「スマホの使い方が分からないから教えて欲しい。」と来られる方が増え、逆に業務が増えている現状がある。教えてくれるところがあれば良い。
- 老人クラブ:
老人クラブの会員が減少している。全国的にも減少。研修会やスポーツ大会、清掃活動等を行っている。高齢化率が高く、なり手がいない。
【総評】- 宇和島保健所:
コロナ渦では、保健所は山のような業務に追われ、国はデジタルを進めた。やってみると、人と人のつながりや顔が見える関係が必要な場面もある。高齢者の多様化により、法の規制は難しいため、共通の認識の元、個別の課題に対してどこまで社会資源を創出できるのか、個別事例を元に社会資源に応じながら、新しい感覚をどこまで共有できるかが鍵となる。
【まとめ】- 包括:
75歳以上人口は増えているが、支援者が減っているため、ケースに応じて主役を変えていく必要がある。警察や医師、ケアマネの仕事ではないが、「●●さんだから。」と言って受け入れる高齢者もいる。頼れる人が変わる、本人が頼ることのできる人が中心となっていく。不安材料ばかりだが、動いていただきながら多職種で一つ一つ探っていきたい。連携という言葉が鍵となる。
② その他 連絡事項
次回、R7.3月開催予定
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