防ごう!高齢者虐待
高齢者の虐待を防ぎましょう
「高齢者虐待防止・養護者支援法」では高齢者(65歳以上の人)の虐待とは、家族など養護者による虐待または養介護施設従事者などによる虐待と定義しています。
虐待問題のむずかしいところは、養護者(介護者)が介護により心身ともに疲労し、追いつめられていることが少なくないことです。虐待をしていることに気づいても、さまざまな理由で自分では歯止めがきかなくなっていることもあります。
高齢者の虐待を防ぐためには、介護の負担を軽減する策をとること、また問題が生じているときは第三者が介入するなどして、虐待の悪循環を止めることが大切です。
こんなことが虐待になります
「高齢者虐待防止・養護者支援法」では、高齢者への虐待として「身体的虐待」「介護・世話の放棄・放任」「心理的虐待」「性的虐待」「経済的虐待」の5つを挙げています。 | ■心理的虐待
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■身体的虐待
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■性的虐待
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■介護・世話の放棄・放任
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■経済的虐待
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虐待は無意識に行われることも!
高齢者虐待に関する調査では、介護や世話をしている半数以上の人が虐待の自覚がないという結果が出ています。気づかず不適切な対応になりやすい事例について、次のリストでチェックしてみましょう。
- 言う事を聞かないので、無視したり、逆にののしってしまう。
- 良いことと悪いことをわかってもらうために、たたくなどしてしつけをしている。
- 認知症により徘徊するので、部屋に閉じこめている。
- 認知症や寝たきりで外聞が悪いので、外出させなかったり、訪ねてくる人がいても会わせないようにしている。
- 年金手帳や、預金通帳などを管理し、本人に無断で使っている。
- 人前でおむつを替えたり、しばらく裸のままにしておくことがある。
高齢者の虐待に気づいたら
虐待に気づいた人には通報義務があります。虐待を止めることは、虐待をしている養護者のためにも必要なことです。
家庭での虐待に気づいたら
虐待に気づいた人は市区町村の担当窓口に通報しましょう。とくに、生命や身体に重大な危険がある場合は通報は義務とされています。また虐待を受けている高齢者本人も届出ができます。 | |
●市区町村の役割 立ち入り調査などを行い、必要な場合は高齢者を保護します。また、地域包括支援センターなどによる相談支援や居宅サービスの提供など、介護者を支える取り組みを行います。 |
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施設などで虐待に気づいたら
施設などの職員が虐待に気づいたときは市区町村への通報義務があります(通報の秘密は守られます)。職員以外の人も、生命や身体に重大な危険がある場合は通報は義務とされています。また虐待を受けている高齢者本人も届出ができます。 | |
●市区町村の役割 老人福祉法、介護保険法による監督権限を使って、業務や適切な運営を確保することなどにより、高齢者の虐待防止や保護を図っています。 |
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早期発見・報告で虐待を防ぎましょう
「高齢者虐待防止・養護者支援法」では、虐待に気づいた人は市区町村に通報義務があることが定められています。早期に発見し、第三者が介入することで、虐待の深刻化を防ぐことができます。虐待に気づいたときは、一人で抱え込んだり、悩んだりせず、地域包括支援センターなどの専門機関や、市区町村の相談機関などに相談しましょう。 | 地域包括支援センターとは 地域包括支援センターは、平成18年4月より高齢者の生活を支える拠点として設置された総合機関です。虐待の早期発見・防止、権利擁護などの高齢者の人権や財産を守る取り組みから、介護保険、介護予防のマネジメント、福祉、医療など、さまざまな支援を包括的・継続的に行っています。 地域包括支援センターについてはこちらのページもご覧ください 地域包括支援センターについて |
介護は一人で抱え込まないで!
高齢者の虐待は、社会的サービスを効果的に活用するなど、養護者の負担を軽くすることで防げたり、最悪の事態は避けられたのでは、と悔やまれる事例が多くあります。こうした原因の一つとして、社会的なサービスの存在や利用の仕方を知らない場合もあるようです。
また、認知症の高齢者の対応など、専門家のアドバイスにより適切な対応をとることで状態を変えられることもあります。無理せず、さまざまなサービスや制度を利用して介護していきましょう。
主な介護サービス
■ホームヘルプサービス 介護や家事の支援サービスを行います。 |
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■デイサービス 送迎により施設での食事やサービスを行います。 |
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■ショートステイサービス 短期間の施設の利用サービスが受けられます。 |
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■地域の介護相談センター 専門の相談員(保健師、介護福祉士、社会福祉士など) による介護についての相談窓口です。 |