内 容 |
第1部 13:00~15:00
映画「いのちの停車場」上映会
第2部 15:10~16:00
本作品の脚本家 平松恵美子さんをお招きしてのトークショー
~「自分らしく生きる」とは~
宇和島市介護医療連携啓発事業 市民公開講座 「いのちの停車場」トークショー報告
【登壇者】
平松恵美子先生:「いのちの停車場」脚本家
大木元明義先生:市立宇和島病院副院長兼内科総括科長兼アカデミックセンター長
沖良隆先生:沖内科クリニック副院長
大木元先生:映画のなかで色々な事例があった。在宅医療の現場、老々介護、ゴミ屋敷、小児が
ん、慢性期からの新しい治療・費用など医療従事者として考えさせられる内容であ
り、医療に携わる方々全員に見て頂きたい内容の映画であった。この映画で人生の最
後を迎えるための疑似体験ができたのではないだろうか。
沖先生:訪問したら鍵がかかっていた、家に上がるのに車にスリッパを常備している等、訪問診療
あるあるの内容であり、ここまで具体的に映画で表現できていることに驚いた。
平松先生:ご自身の介護経験でのエピソードを話された。
脚本を依頼される経緯は主演の吉永小百合さんから直接電話があった。
医療の知識がないので引き受けることに不安があったが、周りの支援もあり引き受ける
ことになった。
脚本を書く前に訪問診療に1ヶ月ほど同行し取材を行った。映画の中で出てくる内容も
その体験をもとに書き上げたものである。
在宅医療について
在宅診療、訪問看護、ヘルパー、ケアマネ、デイサービスなどサポートしてくれる環境必要
自分の歴史がある場所で過ごすことは患者にとって良い環境
宇和島市での在宅医療の実際
映画のラストシーンについて
ラストシーンについては書き上げる上で色々と悩むことがあった。
ちょうど新型コロナウイルスが始まった頃であり、志村けんさんが亡くなられた時期であった。
このような衝撃的なニュースもあり、死について皆が身近に感じる・考える時であると考えあのよ
うなラストシーンにし、「どのような思いで主人公は朝を迎えたのか」について会場全体で考える
場面もあった。
最後に
大木元先生:「自分らしく生きる」こと「人間らしい最期を迎えること」に大切なのは、予め自分
がどうありたいのかはっきりしておくことが大事である。いざ自分が今回の映画の登
場人物ような状況に置かれた場合に自分はどうありたいのか、「食べる」「好きなこ
とをする」「好きな環境」「治療と生活」「家族との時間」など色々あると思うが、
自分はどうして欲しいのかを家族や身近な方々と共有しておいて欲しい。そして、可
能であれば、それをはっきり文章として残しておいて欲しい。自身の考えをはっきり
していただいていれば、我々医療従事者は、その思いを出来る限り達成できるように
努力することが出来る。今回の公開講座に参加された皆様も家に帰られたら一度家族
で話してみて欲しい。
沖先生:自分やご家族で介護・看取りなどが必要になった時に一人で抱え込んで苦しまないでほし
い。今回のトークショーにもあったが、宇和島市にもお手伝いできる色々な仕組みがあ
る。病院やかかりつけの先生に相談していただいて、使えるものは色々と利用していって
欲しい。
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