概 要 |
1.令和5年度部会事業活動報告
地域包括支援センター職員より順次説明し、項目ごとに意見交換を実施する。
1)在宅医療看護・介護連携部会 報告
2)認知症施策推進部会 報告
3)介護予防事業 報告
【医療介護連携に関すること】
- 実はみさいやネットに入っていないため、今年こそは入らないとと思っている。
- ケアマネからの7日以内の情報提供によって加算がつく。みさいやネットからも情報提供できるが、持参での情報提供が多い。介護報酬の改定で7日以内から3日以内に短縮されたこと、FAXは個人情報の漏洩や文字がかすれる恐れがあることから、みさいやネットの活用が望ましい。
- 薬局も登録して見ているが、どのように使ったらいいか分からない状況。こんなこともできるということを説明していただければ、有効活用できるのではないかと思う。
- 市内における救急対応の状況としては、認知症の方が夜間に徘徊していた事例が時々ある。身元が分からず、服をめくって名前が書いていないかを確認したこともある。
【認知症施策に関すること】
- 最近、「在宅で」という意見が多い。認知症の方の徘徊が自分の地域でも多くなっている気がする。民生委員も数が限られているし、近隣住民にも自身の生活がある。離れている家族がたまに帰ってきても、普段の様子が分からない。これらを何とかしなければならないと、とても危惧している。
- 認知症の行方不明者を警察単独で捜索した事例は10回前後。半数程度は、消防団等に手伝ってもらっている。「認知症になっても家で」というのが社会的な動きとなっている一方で、行方不明者が年々増えている。家に連れて帰っても誰も居ないので、身柄の引き継ぎができないこともある。
【介護予防事業に関すること】
- 「フレイル」とは虚弱と解釈されるとおり、「オーラルフレイル」は口腔の機能低下。オーラルフレイルの診断名がつく前の兆候として、①半年前に比べて固いものが食べづらくなった、②お茶などでむせることがある、③口の渇きが気になる、④外出が少なくなっている、がある。体操の集まりもオーラルフレイル予防に効果的。 オーラルフレイルは、単純に食べられないということだけではなくて、味覚障害や唾液の分泌等にもかかわり、最終的に誤嚥性肺炎につながる。厚労省のガイドラインでは、オーラルフレイル状態であれば、2年以内に身体的なフレイルに陥る場合が2.4倍であり、最終的に死亡リスクが高まる。歯科医師会の取り組みを今後も積極的に行っていきたい。窓口は睦美歯科の是澤先生。心配なことがあればお電話を。
- 宇和島歯科医師会の取り組みに比べて、取り組みが弱いと感じているため、見習っていきたい。
- 介護予防事業の中で、元気な高齢者づくりが重要なことだと改めて思った。高齢者がこういうふうにしなければではなく、元気になるためにどうするのかを自分で考えることが大事。循環器疾患が課題になっている中で、重度化予防を包括とする意味は大きいと思っている。また、高血圧対策においてもさまざまな取り組みを行っている。すべての対象者に会って話すのは難しいため、ケアマネが重度化予防の視点を持って取り組んでいることが嬉しいと思っている。1ケース1ケース、丁寧に関わっていけたらと思っている。
4)協議体 報告
5)地域ケア会議 報告
【協議体に関すること】
- 令和5年度は、各地区での行事が再開され、SCも積極的に地域に出向いている。確実に住民主体の活動が広がっていると感じている。引き続き事業を実施していければと思っている。ねんりんピックを通して、市内の社会福祉法人と協力・連携を図ることができた。今後はさらなる社会福祉法人間での連携ができればと思う。吉田まるは三間の連絡会を参考に立ち上げたもの。旧浦尻小学校は新たなアプローチを開始する拠点となる。関係機関と連携を図りながら、地域づくりや仕組みづくりをしていきたい。
【介護予防事業に関すること】
- 地域ケア会議だけでなく、ケアマネが重要な役割を担っていると感じた。ケアマネが地域での困りごとに目を向けていく。自分が担当している人だけでなく、インフォーマルも含めて地域の社会資源の啓発・発掘が求められている。徘徊する方や独居で生活している認知症の方について、ケアマネもかなり悩んでいる。
- 今、小学校が統合されたり、分校の入試が最後になったりしているとおり、支え手がいない。近年は60歳後半~70歳くらいまで働かれる方が多く、自治会の役や地域のボランティアが少なくなっている。自治会については、防災面はプッシュがあるが、こういうことについてはあまりない。ラックポイントについて、お年寄りの食いつきが良いという話も聞くが、「ガイヤマイレージ」、これは2本立てなのか?統合された方がいいのではないか?
- 75歳まではスマホアプリが使える方が多いが、100歳近いとなかなか難しいところもあり、併用でいこうと思っている。
- 人生100年時代で長生きということもあるし、独居高齢者が非常に多くなっている。人口減少は何十年も前から分かっているのだから、助け合う以外にない。一番問題となるのが事務局。吉田の場合は社協が事務局。 全部社協というのは難しい中で、誰が中心となるのか。ゴミ出しや買い物の課題がある。しんばしが潰れて、フジは衣料品がないため、北フジまで自転車で行かなければならない。実際、買い物支援をやり始めたとして、 事故った場合はどうするのか。そういうことも含めると、あらかじめ具体的にシミュレーションしていく必要がある。吉田の事例はいいなと思うが、明倫でもやれるか?となったときに、そこらの議論をしていかなければならない。徘徊する高齢者の問題も身近。長堀では、夜中にチャッカマンで火をつける独居高齢者がいて、自治会としても困ったことがある。徘徊がどんどん増え、家族が遠方の場合、自治会自体も後ろをついて回れる人がいるかな?というのが現実。ある人が道に倒れていたときのために、介護認定をした段階で個人を特定できるような名札を身に着けることを努力義務にすればいいのではないか。屈辱的であるかもしれないため、、ポケットに入れる等の工夫も考えられる。
- 10年前からそのような話はあったが、実際はなかなか導入ができない。認知症徘徊模擬訓練でも、なかなか声をかけられない市民もいる。まずは地域住民が認知症を正しく理解し、声をかけられる環境づくりからご支援いただければと思う。
- 自宅に帰れなくなる方がいて、家族の許可を得て、地域の派出所に、その方が1人で歩いていたら、事業所に連絡するよう依頼したことがあった。個人情報の問題でオープンにすることに抵抗がある方も多いと思う。
2.協議
事務局より提案事項
各部会、事業の課題を整理したうえでの本会から宇和島市への提言(案)
- 独居、孤立する「おひとりさま高齢者」が抱える多様な生活課題を支援すること
- 上記課題に応じたあらゆる社会資源を適切に活用できるように行政、民間、地域が協働すること
- 同様に新たな社会資源の発掘に努めること
提案事項に異議なし。
【総評】
- 現実的な情報をいただき、いい会議だったと思う。宇和島、愛媛だけの問題ではなく、日本全体の問題であるが、特効薬は出せていないのが現状。できることを地域でやっていくしかない。「地域で〇〇やりたいんだけど、市の方でサポートしてくれないか」というのが現実的。上手くいっている地域を見ながら、その地域でできることをやっていく。癌で亡くなるときに、大昔は全部病院でという流れだったが、今は在宅でという流れ。医療と介護の連携が重要。ここで協議しながら、地域でできることを模索できるのではないか。
3.その他 連絡事項
地方公共団体、民間企業・団体など様々な主体がデジタルの力を活用して地域課題の解決等に取り組む事例を競うデジ田甲子園に、宇和島市の取組「スマートスピーカーを活用した『高齢者見守り・オンライン診療』」をエントリーしていたところ、地方公共団体部門で『内閣総理大臣賞(審査委員選考枠)』を受賞しました。この事業の実施にあたっては、医療、介護、日本郵便、システム会社など、各種分野、専門職の強みであったり、地域包括ケアシステムをフル活用しながら、チャレンジした取り組んだものであったため、取組も当然ですが、高齢者の支援体制も評価してもらったようで、本当にうれしく思っている。今後も今回を励みとし、着実に様々なことに取り組みたい。
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